ウェルスナビ柴山社長さんの記事をインタビューを中心にまとめた。時系列はちょっと適当。
ゴールドマン・サックスのニューヨーク本社で株式売買システムの自動化を進めたところ、00年に600人いたトレーダーが現在では2人しか残っていないというのです。
トレーダーに代わって取引するのは、複雑なアルゴリズムを搭載した、自動取引プログラム。記事によれば、ゴールドマン・サックスではエンジニアが9000人と、従業員の3分の1を占めるまでになっています。
人間の脳は、投資には向いていません。感情に邪魔をされ、不合理な行動を取ってしまうことが多いからです。これは2017年のノーベル経済学賞で注目を集めた「行動経済学」でも実証されていますが、人間の脳は投資をするときに「正しい判断」をしづらいのです。
人は「損をすること」を嫌います。
「損をすること」による感情と、「得をすること」による感情を比べると、振れ幅は2倍近くになると言われています。たとえば、1万円札が入った財布をなくしてしまったときの心の痛みは、道で偶然1万円札を拾ったときの喜びをはるかに超えるインパクトがある、ということになります。
「損をしたくない」というこの感情が罠となり、合理的な投資行動の邪魔をすることがよくあります。
「日本だけ」はリスクが高い
あまり意識されていないかもしれませんが、「日本の不動産と日本株に投資する」のも、投資先が日本に偏っているので集中投資だといえるでしょう。
1992年からの25年間、日本の代表的な株式(東証株価指数: TOPIX)に分散投資をすると、どうなったでしょうか。下のグラフはそのシミュレーション結果です。
“失われた20年”とはまさにその通りで、25年間のおよそ半分の期間において、資産の評価額が投資にあてた金額を下回っていることがわかります。
日がなWordファイルに向き合うというこの仕事は、“見栄えのよい資料を作りスマートにプレゼンテーションする”という世間的なマッキンゼーのイメージからはかけ離れていました。しかし、この無限に続くように思われたこのプロジェクトを経て、私はようやくチームの一員として認められたように思います。
財務省でもマッキンゼーでも「誇りに思える仕事ができた」「このプロジェクトは特別だった」と感じたのは、それらが終わってしばらく経ってからでした。「誇りに思える仕事」にはたいてい前例がないので、できる限りの情報を得ながら、非効率なトライアルを繰り返すことになります。数週間、場合によっては数ヵ月、もがき続けているうちに協力してくれる人が現れ、気が付けば光が見えていたというのが正直なところです。
なぜ運用先の選択をコンピューターに任せるかというと、その方がうまくいくからです。人間が投資をすると感情や思い込みが入り、結果として冷静な判断ができないことがあります。
相場が下落し、もう撤退すべきだとわかっていても、むきになってしまったり、もっと攻めるべき時なのに、びびって降りてしまったり。
ロボットに任せれば、こうした失敗は防げます。
我々は、年収が高く、また投資経験がある人をあえて狙っています。
--それはなぜですか。
まずは、厳しい目を持っている人たちに選んでもらいたいという理由からです。投資の初心者は、投資経験のある人たちに選ばれているサービスを使いたいと思うのではないでしょうか。ですので、あえてウェルスナビでは最低投資額を100万円に設定しています。
また我々は、Webサイトでアルゴリズムを公開しています。投資・資産運用の初心者には理解できないかもしれませんが、資産運用のプロの方や、大学で金融工学などを専攻している方であれば、これを見ればウェルスナビが正しいことをやっているかどうかがわかるはずです。そういう部分をガラス張りにすることで初めて、お任せサービスが成り立つと考えています。従来の金融サービスに比べ、手数料やアルゴリズムなどの透明性や情報開示などの水準を自主的に高く設定していかなければなりません。
「よく指摘されるように“リスクを取る・取らない”といった国民性の違いが要因のひとつかもしれません。しかし、実は10年ほど前までは、先進国であるドイツも個人金融資産の半分以上が預貯金でした。その後、ドイツ政府や金融機関が『貯蓄から投資へ』の流れを進めた結果、現在ではドイツの個人金融資産に占める預貯金の割合は39%まで低下しています。
日本でも政策や金融機関の取り組み次第では、堅実な国民性で知られるドイツ並みに『貯蓄から投資へ』の流れが進んでいく可能性が十分にあると考えています」
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