2017年末、今このタイミングにおいて、良かった漫画(6作)、がっかりした漫画(1作)をここに書き残しておきます。
今年(2017年)読んで、一番衝撃を受けた漫画を晒せと言われたら、真っ先に浮かぶのがこちらかなぁ。このマンガが凄いにも選ばれていたけれども、本当に凄いんですわ。
肉食獣と草食獣が共存する世界で繰り広げられる青春群像劇。三十路をすぎるとさすがにふっつーのラブコメやら青春やらは気恥ずかしくて素直に受け止められなくなってくるのだけれども、動物擬人化系なのもありつつ、青春群像劇の中で「肉食獣と草食獣が共存する世界」という背景設定が徐々に効いてくるので、恋愛描写一つとってもグッと来ますね。
ちゃんと調べてないんですが、刃牙の板垣恵介の娘さんなんですかね?お父さんもある種の天才だけれども、お話が破綻しがちなので、それに比べてほんと良く出来た娘さんですね。いまのお父さんの漫画の10万倍ぐらい面白いし、きっと漫画史に残る傑作になると思います。
コレと「約束のネバーランド」と「鬼滅の刃」が同時に連載しつつも、王道たる「ワンピース」「ハンターハンター」が現存しており、さらには「僕のヒーローアカデミア」や「ブラッククローバー」など新世代の王道もいて、他にもスポーツ・ギャグ・ラブコメといずれも粒揃いな現在のジャンプの連載陣は、90年代後半のジャンプと同等の熱量を感じる。電子版であるジャンプ+においても「ファイアパンチ」を始め、意欲的な連載作品が多い。
ただ、個人的に今のジャンプ連載陣の中では「鬼滅の刃」をイチオシしたいところではあるが、この「Dr.STONE」は新王道とでも言うべきか、斬新さと圧倒的王道感を兼ね備えつつ、永らくSF不毛地帯だったジャンプ本誌に突如現れた衝撃の一作なワケでして、2017年はこれを推さないと嘘だろう、という思いで推薦させていただいた次第。
Boichi先生の圧倒的画力が魅力の一つであることは間違い無いんですが、少年誌だからか、あるいはキャラクターの年齢からか、頭身をだいぶ下げて描かれているのがウケたポイントの一つかなと思います。平常運転のBoichi先生の場合、もっと胃もたれしそうなぐらいマッチョでマッシブで肉感的で扇情的な感じなので、そのまま行ったらちびっこにウケなかったでしょうから。
今年を代表する一作。
20年弱、弐瓶勉の漫画を読んでいるので、新作ともなれば過剰なほど期待を持って読み始めるワケですが、いやぁ裏切らないですね。
前作「シドニアの騎士」で開拓した、人外ヒロイン萌えという変態性を今作でも引き継ぎつつ、相変わらず東亜重工だなんだと弐瓶SFワールドが展開されているので、ファンなら無条件降伏可能な作品であること請け合いです。
私としてはこの作品単体よりも、やはり「BLAME!」や「シドニアの騎士」(できれば「バイオメガ」他その他諸々も)を読んでいただいた上での、この最新作であってほしい、と強く思いますので、今作の続刊を待ちながら、「BLAME!」を素で通読、ネットでいろんな方の考察を読んだ上で2度目の通読、「シドニアの騎士」を通読した後に3度目の通読、ぐらいしていただいて、「BLAME!」ならびに弐瓶SFワールドをしっかり味わっていただきたいなと願うばかりです。
史村翔(武論尊)・池上遼一の名コンビによる最新作。一言で言うと、サンクチュアリ2です。これは。
2巻中盤から劇的に面白くなるので、もしも1巻だけ読んでピンときてない方がいたとしても、今すぐ既刊は読破することをオススメします。
サンクチュアリを求めて漫画冥府を彷徨っていた方々には僥倖とも言える作品であることは間違い無いでしょう。圧倒的感謝。
3年前に始まった作品なんだけども、今年刊行された巻でこの作品の世界観がだいぶ解き明かされてきたので、今から読むのは大変オススメです。
「進撃の巨人」以降、ディストピア感のある作品や、とりあえず残酷表現で興味を引こうという志のない漫画が雨後の筍のように増えた中で、非常に骨太なつくりです。
だいたい年1ペースの刊行ですが、あなたの漫画人生に”待つ楽しみ”が一つ増えることでしょう。
面白い。文句なしに面白い。「うしおととら」とも「からくりサーカス」とも違う、新しい藤田和日郎ワールド。
長編の前作「月光条例」は正直10巻台でリタイアしてしまって読んでいないんだけど、今作は実に素晴らしいです。未読の方はぜひ最新刊まで一気に読んでいただきたい。ジャンルとしてはSFホラー的な作品なので、藤田ファンのみならず楳図かずおが好きな方にも美味しく頂けることでしょう。
ざっくり、あらすじを一言でいうと「あの家絶対ぶっ壊すんや!」って感じの話です。なんのこっちゃい。
FGOでもイラストを提供されておられる高橋慶太郎先生の新作。一言で言うとお金の聖杯戦争。
お金を消費して戦う聖杯戦争的(要はマスターとサーヴァントがいるんですわ)闘争とお金がないとそもそも戦えないので起業してお金稼ごうという話の筋に、高橋先生らしい狂ったキャラクターたちが乗っかってアレコレする話です。アイディアとしては面白い、というか、アイディア自体は昔ノイタミナでやってたアニメ「C」とFate的な世界観組み合わせた感じですね。
パクリがどうとかはほんとどうでもよくて、とにかく話が死んでる。おそらくこちらの読解力の問題ではなくて、単純にネームの問題。前作「デストロ246」は最初は疾走感と狂気でなかなか面白くて、最後は超絶尻すぼみで大変残念な作品だったけれども、今回は最初から駄目ですね。ネタ的には面白くなりそうなんだけどな・・。
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